東大阪の地場産業


前述のような、東大阪の中小企業を取り巻く環境の変化に直面し、当社株式会社仁張工作所ではどうだったか、そして今後どのような戦略・戦術をもって経営展開をしていくのか、を以下に述べたいと思います。

これまでの軌跡 〜時代が変わる、事業継承を経て経営も変わる〜

現取締役会長 仁張清之介が、大阪の金庫メーカーの勤務を経て、昭和39年に当社を創業。スチール家具のルーツは金庫であり、このとき、創業者の経験を活かしたスチール家具製造に営む仁張工作所が誕生しました。創業当初は、現会長と2名の従業員が、昼間は数坪の貸し工場で設計などを行い、夜間に他社の工場で機械を借りて、主に郵便局の什器、保管箱などを製造していました。
その後、順調な企業成長とともに、昭和41年には本社工場を新築、昭和43年、昭和45年と分工場を設け、企業基盤が整った昭和49年に法人組織へと改組。先代経営者の時代では、経営者のトップダウンによる意思伝達系統のもと、技術重視でこだわりのスチール家具を、主に官公庁向けに供給する、アットホームな社内雰囲気があり、経済成長を背景に、製造部の力が強いプロダクトアウト志向の経営で成長を続けてまいりました。現代表取締役社長 仁張正之は、神戸大学工学部で生産機械工学を学び、同大学院で生産システム工学を専攻した後、他社の勤務を経て、昭和63年に当社に入社。平成8年に二代目社長として当社代表取締役に就任しました。平成12年頃から、大手メーカーが工場を海外に移転する「産業の空洞化」が顕著になり、これまで下請けに依存していた当社業績に陰りが見え始めました。このような時代の変化を受け、次代経営者は、代表取締役就任時に伝播した経営理念のもとに組織作りに着手しました。改善提案制度の導入など、ボトムアップによる現場発の意思伝達系統も組み入れるとともに、営業部の強化によってマーケットアウト志向の経営スタイルへと、時流に沿った深化を遂げました。そして現在では、インターネットを活かして、自社ブランドを開発する板金加工の専門家集団を目指しています。このような変革を経て、長年にわたり、特殊な別注家具の製造を下請けする過程で蓄積した技術ノウハウに加え、設計から板金加工、塗装までを一貫して自社内で賄える強みを活かし、これまで取引のなかったエンドユーザーを対象とした直販ビジネスへの参入を果たしました。規模生産ラインを抱える大手メーカーでは採算が合わず、小さな町工場では技術的に難しい別注スチール家具のニッチ市場で、こだわりのモノづくりを通して培った技術力とコスト対応力を発揮、今尚、新たな進化に挑み続けています。

これからの事業展開 〜個客ニーズの深耕によって、連鎖的な市場創出を目指す〜

仁張工作所のこれからの事業展開では、第四次(2009-2011年)の中期経営計画に掲げた「既存の仕事にとらわれず、板金加工の専門家集団として、経営環境の変化に適応できる”揺るぎない組織”を目指す」という スローガンを成就するため、教育(共育)訓練制度の充実を端緒とし、一層の品質レベルの向上を目指します。そして、品質レベルの向上を起点に、コスト(価格)・納期の要求水準を高め、 「板金加工=サプライ・インダストリー」、すなわち業種業態を問わず、あらゆる産業分野において活用される基盤技術(板金加工)の可能性にチャレンジします。 サプライ・インダストリーとしてのシーズをもって、顧客・市場ニーズを的確かつ迅速にカタチにするため、顧客オーダー、すなわち顧客ニーズの収集窓口となるホームページへのアクセス数向上に 努めるほか、ホームページからの受注が集中する東京都内への営業拠点設置を検討しています。 これにより、仮想店舗と実店舗という双方のアンテナを介して、より新鮮かつ層の厚い個客ニーズをキャッチし、サプライ・インダストリーとしてのシーズをもとに、これら個々のニーズへの対応力を 高めることで、オーダーメイド製品の更なる充実を目指します。 また、オーダーメイド製品の起源となる個客ニーズの中から、個々のニーズの最大公約数を導くことで、市場ニーズが高く、汎用製品としても供給が可能なものを自社ブランドとして進化させ、すでに 当社が自社ブランド製品として展開している、貴重品ロッカー「N-forme」(エヌ・フォルム)やデザインロッカー「N-model」(エヌ・モデル)の充実、そして新たな自社ブランドの創造を目指します。 さらに、ニーズ対応力の向上とともに蓄積される製品の開発・提案力をもとに、OEM製品の付加価値を高め、安価な海外製品との競合はじめ他社製品との価格競争を極力回避し、製品そのものの魅力を高めることで、 割安感のある製品の持続的な供給を目指します。 以上の事業展開によって、「揺るぎない組織=サプライ・インダストリー」という基盤のもと、個客ニーズの深耕から導かれる、オーダーメイド製品・自社ブランド製品・OEM製品の充実した供給を通じ、 個客サプライそしてOEMサプライにおける連鎖的な市場創出を目指します。


株式会社仁張工作所

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大阪府東大阪市水走3丁目14-6
tel:072-962-2888

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